背景と概要
■現在ワクチン接種が進められており, 「重症化抑止」 と「感染の早期終息」に寄与することが期待されている。
■一方,ワクチン接種の優先順位設定において,この2つの目的を同時に満たすことは難しい。
■当面,足下の医療逼迫解消のため高齢化のワクチン接種を優先とすべきであるが,ワクチンによる終息を目標とする場合,何らかの理由でワクチン接種しない人々の存在による終息過程への影響を定量的に把握しておく必要がある。
図表:背景及び問題設定と本シミュレーション結果からの示唆
シミュレーション結果:①陽性判明者の推移
■陽性判明者について,どの場合でもクラスタ率の違いによる感染動向の差は大きくない。
※ただし,差は⼤きくないもののクラスタ率が⼤きいとピーク数がやや小さくなる向が見られるため今後詳細に原因を判断する必要あり。
図表:ワクチン接種ペース及びクラスタ率の違いによる陽性判明の推移
シミュレーション結果:②実感染者の推移
■実感染者について,どの場合でもクラスタ率の違いによる感染動向の差は大きくない。
※ただし,差は⼤きくないものの陽性判明者数と同様に,クラスタ率が⼤きいとピーク数がやや小さくなる向が見られるため今後詳細に原因を判断する必要あり。
図表:ワクチン接種ペース及びクラスタ率の違いによる実感染者の推移
結果からの示唆
■主要な示唆
■今回のシミュレーション設定においては,非接種個体のクラスタは感染拡⼤・終息に対して, ⼤きな影響は見られなかった。
■補足
■一方検査しない個体が含まれる場合,クラスタ率が高い方がピーク時感染者数がやや低くなる傾向がみられた。 原因については,今後,詳細を見た上で判断する必要がある。