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Estimates of new positive patients for Omicron variant (Tokyo) #4
These will be replaced by English slides as soon as they are available.
- Date
- 2022.01.25
- Researcher
- Setsuya Kurahashi
- Organization
- Graduate School of Business Sciences, University of Tsukuba
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筑波大学大学院人文社会ビジネス科学学術院ビジネス科学研究群
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サマリー
・東京都におけるオミクロン株の感染力・3回目接種の開始時期のそれぞれに対して、新規陽性者数の比較を行った。
・夜間滞留人口が12月水準から減少しない場合、第3回接種を全接種者に対して210日以内に実施しても、新規陽性者数は2月下旬で最大約50,000人/日、重症者数は170〜340人/日に達する可能性がある。
・夜間滞留人口が12月水準から70%まで減少すると、新規陽性者数は最大28,000人/日、重症者数は90〜180人/日まで減少する。
・夜間滞留人口が12月水準から70%に減少し、高齢者第3回接種を180日以内に実施すると、新規陽性者数は最大27,000人/日、重症者数は80〜150人/日まで減少する可能性がある。
・効果的な抑制策は以下
・夜間滞留人口を12月水準の70%に抑制
・第2回接種から180日後に高齢者への第3回接種を実施
・1月25日報告(n-29)から、オミクロン株感染者の東京への流入を12月10日から12月30日まで10日毎に20名ずつと変更し、世代間の感染率等を1月以降の感染者数に沿って微調整を行った。
新規陽性者数比較
3回目接種によるデルタ株、オミクロン株の比較
オミクロン株 新規陽性者数推定(高齢者3回目7か月後接種)
・人流の抑制をしないとピーク時の新規陽性者数が50,000人。
・繁華街21時の滞留人口を70%まで抑制することで、ピーク時の陽性者数は28,000人。
・短期的な方策として、人流抑制の効果は高いことが示唆された。
65歳以上 7ヶ月後接種, 60歳未満 7か月後接種
ワクチン2回目感染予防効果:33%
ワクチン3回目感染予防効果:75%
ワクチン3回目接種率:90%(2回目に対する率)
滞留人口:繁華街21時 2021年11/25-12/24平均

オミクロン株 新規陽性者数推定(高齢者3回目6か月後接種)
・人流の抑制をしないとピーク時の新規陽性者数が約46,000人。
・繁華街21時の滞留人口を70%まで抑制することで、ピーク時の陽性者数は約27,000人。
65歳以上 6ヶ月後接種, 60歳未満 7か月後接種
ワクチン2回目感染予防効果:33%
ワクチン3回目感染予防効果:75%
ワクチン3回目接種率:90%(2回目に対する率)
滞留人口:繁華街21時 2021年11/25-12/24平均

オミクロン株 重症者数推定(高齢者3回目7か月後接種)
・最も悲観的なシナリオ(人流抑制無し、オミクロン株の重症化率がデルタ株の0.1倍)の場合でも重症者数は約340人で、2021年夏のピーク時をやや上回る程度。
・オミクロン株の重症化率が0.05倍である場合、重症者数はピーク時170人程度。
・人流抑制により、重症者数をさらに減少させることができる可能性。
65歳以上 7ヶ月後接種, 60歳未満 7か月後接種
ワクチン3回目感染予防効果:75%
ワクチン3回目接種率:90%(2回目に対する率)
滞留人口:繁華街21時 2021年11/25-12/24平均
重症者数:デルタ株の 0.1倍(入院率0.3, 減衰率0.5, 経口薬0.7)
:デルタ株の0.05倍(入院率0.2, 減衰率0.35, 経口薬0.7)

オミクロン株 重症者数推定(高齢者3回目6か月後接種)
・高齢者への3回目接種を2回目接種から6ヶ月後に実施できれば、最も悲観的なシナリオ(人流抑制無し、オミクロン株の重症化率がデルタ株の0.1倍)の場合でも重症者数は約270人で、2021年夏のピーク並み。
・オミクロン株の重症化率が0.05倍である場合、重症者数はピーク時140人程度。
・人流抑制により、重症者数をさらに減少させることができる可能性。
65歳以上 6ヶ月後接種, 60歳未満 7か月後接種
ワクチン3回目感染予防効果:75%
ワクチン3回目接種率:90%(2回目に対する率)
滞留人口:繁華街21時 2021年11/25-12/24平均
重症者数:デルタ株の 0.1倍(入院率0.3, 減衰率0.5, 経口薬0.7)
:デルタ株の0.05倍(入院率0.2, 減衰率0.35, 経口薬0.7)

モデル設定
1.SEIR数理モデルとAI最適化手法による感染モデル
人口流動を考慮したSEIRモデルとAI技術(進化的最適化+準ニュートン法)を用いて感染モデル推定の最適化を行うことで、0歳〜39歳、40歳〜59歳、 60歳以上の3つの年代内および年代間での感染推定を行った。県外からの陽性患者流入者数をモバイル空間統計データ(NTTドコモ)およびLocationMind xPop*1から推定してモデルに組み込み、2021年3月1日〜10月30日のデータからモデルを学習させ、発症間隔は2.1日とした。
2.ワクチン効果と行動変容効果
・ワクチン効果は,オミクロン株に対して、第2回で33%、第3回で75%の発症予防効果があるとした。オミクロン株は12/10に5名の市中感染が始まっていると仮定した。
・3/1〜 12/18 の実効再生産数・人口流動数の推移は実測値を使用。12/19以降は、繁華街滞留人口(13時、19時、21時)と都外からの流入人口が11月と同水準として、実効再生産数・感染者流入リスクを推定した。
・ワクチン減衰効果
180日で50%まで減衰するとした。ブースター接種は,12/1より2回目接種から180日経過した医療関係者から、1/5から高齢者、2/1から60歳未満が接種を開始するとした.
・https://www.gov.il/en/departments/news/05072021-03,https://www.gov.il/en/departments/news/06072021-04
・Resurgence of SARS-CoV-2 Infection in a Highly Vaccinated Health System Workforce, DOI: 10.1056/NEJMc2112981, The new England journal of medicine
・COVID vaccines protect against Delta, but their effectiveness wanes, doi: https://doi.org/10.1038/d41586-021-02261-8, Nature
・Comparative Effectiveness of Moderna, Pfizer-BioNTech, and Janssen (Johnson & Johnson) Vaccines in Preventing COVID-19 Hospitalizations Among Adults Without Immunocompromising Conditions — United States, March–August 2021, CDC vol.70, 17, Sep. 2021
・国立感染症研究所, SARS-CoV-2 の変異株 B.1.1.529 系統(オミクロン株)について(第5報) ,2021
東京近郊市街地エージェントベースモデル
東京郊外の世帯構成に基づいて2つの街で構成された1348人のエージェントで表現したモデルを構築し、ワクチン接種証明による職場、飲食店、イベント会場の制限を行い、各500回の試行からRt変化率を測定した。飲食同伴者は、友達ネットワーク(友人数は冪則分布のゴルトン・ワトソンネットワーク)から、ランダムに選ばれるとした。

*1 「LocationMind xPop」データは、NTTドコモが提供するアプリケーション(※)の利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。※ドコモ地図ナビサービス(地図アプリ・ご当地ガイド)等の一部のアプリ
ワクチン接種による抗体保有率
ワクチン接種による発症予防効果の時系列推移を、抗体保有量(ワクチン効果を持っている人数)で表す。
ワクチン効果は減衰していくと考えられるため、全体の発症予防効果は図中太線のような推移をとる。
