背景
・6月下旬から新規陽性患者数が増え始め、ほぼ全国的に急上昇。第6波を越える傾向にある。
・ワクチンの4回目接種が始まったが3回目接種率が50%程度にとどまっている。
・今後、空調利用による換気の悪化、熱中症を懸念してのマスク着用率の低下、夏休みによる外出の増加などが予想される。
[シミュレーション]
・人の行動モデルを見直し、集会の場所の分布および集会内での感染リスクなどを変更。
・2次元空間上を移動するマルチエージェントモデル。エージェント数 100万人。
・東京都の新規陽性患者数推移に適合するよう、人流やツイッターの分析結果を参考に、集会や人の動きの変化を調整。
・ワクチン接種及び感染履歴の状況を反映した2021年11月26日時点を想定した16とおりの集団から、各4試行、計64とおりの
シミュレーションを実行し、それらの平均値と標準偏差を見る。
・陽性患者数、隔離患者数、実感染者数、重症患者数の推移を見る。
・前回から、ワクチン効果および感染による獲得免疫の効果を見直し、モデルに反映した。
仮定
・BA.5 株の感染力は、オミクロン BA.1 の 1.2 倍。
・ワクチン接種による感染予防効果
有効期限 = 2回目接種後 150日。
BA.5 に対する感染予防効果 53%, ブースターの効果 75%
・オミクロン株感染による獲得免疫の感染予防効果
有効期限 = 回復後 160日。 54日目から線形に減弱。
BA.1, BA.2 感染による獲得免疫の BA.5 に対する感染予防効果 92%。
・8月は人の動きや感染予防対策に大きな変化がない。
・ワクチン接種の速度は、最大接種率に到達するまで現状維持。
・11才未満の最大接種率は 20%。
・4回目接種については考慮しない。
シミュレーション結果#1-1(陽性患者数の推移)
・7月下旬をピークにある程度までは下がるが、その後高止まりの可能性。
・ピーク:東京都で週平均1日当たり 2万人程度。