東京における新規陽性者数推定結果
人流・行動は、現状の傾向から、ゆるやかに低下すると仮定。
BA.5系統の感染力はBA.2系統の1.3倍、60歳以上4回目ワクチン接種は実測値を用いた。
* 感染力の倍率は実効再生産数ベース。お盆における検査数減少は考慮なし
東京 年代別死者数(8/9から更新なし)
※60代のデータを人口割合に基づき、60-64歳、65歳-69歳のデータに換算
東京における重症者数試算結果(8/17更新)
* 年代別の重症者数データが入手困難なため、全年代の重症者数を対象として以下の仮定で試算。
重症者数の9割以上が60歳以上1であることから、全年代の重症者数すべてが65歳以上と仮定して試算。
BA.5系統の感染力は、 BA.2系統に対して1.3倍(実効再生産ベース)、ワクチンによる重症化予防効果はBA.2系統に対して、10%低減する(9割に低下) 2と仮定した。
* 重症者数は東京都の基準による
1.第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html)
2.NP Hachmann, Neutralization Escape by SARS-CoV-2 Omicron Subvariants BA. 2.12. 1, BA. 4, and BA.5, N Engl J Med, 2022
ワクチン感染予防効果の推定値(アップデート)
前ページの集団に対するワクチン感染予防効果と、新規陽性者のワクチン接種状況より概算したワクチン効果の差分
今後のワクチン感染予防効果の推移(アップデート)
接種後2週間以内の感染予防効果:デルタ 95%、オミクロンBA1 62%
BA2= BA1と同等、BA5=約40%
無症状感染者を8倍と仮定した場合、ピークをつけるのは7月29日ー8月5日ごろ 。
その場合でも集団での感染予防効果は従来ほど強くない。 3回目接種者数、行動により前後する可能性。
換気、猛暑によるワクチンの感染予防効果の推移により、前後する可能性。
人口の30-40%(無症状者を含む)が感染しなければ、第5波、第6波レベルの免疫保有に達しない。
無症状感染者数仮定の前提 (概算)
東京都 戦略的検査強化事業検査件数1の陽性率より無症状感染者数の割合を概算。
第6波では新規陽性者数の3-5倍を推移していたが、第7波では6-9倍を推移。
PCR検査の陽性反応は、感染後14日2続くと仮定して導出(17日3との報告あり)。
第92回厚生省ADB(中島先生)からは発症後9日(10-13日まで)4 。
1.https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/kensa/kensuu.html
2.N. Kojima, et al, “Duration of COVID-19 PCR positivity for Omicron vs earlier variants,” J Clin. Virology Plus, https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2667038022000242
3.M Cevik, SARS-CoV-2, SARS-CoV, and MERS-CoV viral load dynamics, duration of viral shedding, and infectiousness: a systematic review and meta-analysis, Lancet Microbe.2021
4.中島先生(厚生省ADB)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000970030.pdf
前提条件と限界
・BA5系統に代表される新規変異株の感染力(1.3倍)および免疫回避(感染予防効果低減40%.重症化予防効果低減10%)を仮定し、新規陽性者数および死者数を試算。
・陽性者数の推定では、8/5までPCR検査数の上限はあるものの、第6波に比べて拡充されると仮定(7/17までは以前と同等と仮定)。検査体制が変化すれば、推定値も変化。
・無症状感染者が4-8倍いると仮定しての分析。
・9月中旬以降、換気(気象)の影響を簡易的に考慮。
参考資料:年代別新規陽性者数予測モデル
対象年代カテゴリを、0-9歳、10-64歳、65歳以上の3区分とし、深層学習(LSTMモデル)に基づき、それぞれの年代の過去の陽性者数・死者数、ワクチン有効率を入力することで、年代別の新規陽性者数・死者数を予測するモデルを開発。
これまで開発してきた各都市における全人口を対象とした予測モデルを拡張し、年代(10歳未満、10-64歳、65歳以上)カテゴリを分けることで、各年代の特徴を考慮。また、ワクチンの4回目接種率の感染状況への影響も推計した。
*NTTデータから提供されたTwitterデータを用いて東京大学生産技術研究所豊田研にて作成
1.E. A. Rashed and A. Hirata, “Infectivity upsurge by COVID-19 viral variants in Japan: evidence from a deep learning modeling.” Int. J. Environ. Res. Public Health, 2021.
参考資料:年代別新規陽性者数・実効再生産数(東京)
東京都における年代別の感染状況(下図)より、年代によって感染の傾向が異なることが分かる。
参考資料:これまでの予測推移
7/11および7/19までのものは、感染対策が6月以前と同等になされていると仮定
8/1までは、推定した4回目接種率を用いていたが、4回目接種の実績値公開に伴い、8/5より実測値を用いた。
8/17の値は、簡易的に気象条件(換気)を考慮
※60代のデータを人口割合に基づき、60-64歳、65歳-69歳のデータに換算
参考資料:これまでの予測推移
7/11および7/19までのものは、感染対策が6月以前と同等になされていると仮定した陽性者数。
7/25より、第6波までの陽性者数の推定法と前提を変えている
8/1までは、推定した4回目接種率を用いていたが、4回目接種の実績値公開に伴い、8/5より実測値を用いた。