2020.12.25

人の空間的な移動に基づくマルチエージェントシミュレーションを用いた感染拡大の分析

研究開発担当

産業技術総合研究所 大西正輝

対応するリサーチクエッション

「接触機会低減」のための「ICT、IoTの活用」(ウェアラブル機器を用いて接触回避などを行う)


大規模な人の空間的な移動の分析:都道府県別の移動や区分内外の移動変化

GPSによって得られた全国の移動*を①同都道府県内の移動、②同区分内の移動、③区分外の移動の3つに分けて集計。合計を100%になるように正規化。区分には地方天気予報の予報区分(11地域)を利用。(1月から10月末までを集計)

*ブログウオッチャー提供

9月以降は特に休日の移動が増加。9月の4連休は3月の3連休程度の移動に増加。

大規模な人の空間的な移動の分析:歓楽街の移動変化

9月の4連休前後(9/17~25)の夜に「すすきの」と「歌舞伎町」にいる人がどの都道府県から来ているかを集計。

9月の4連休の夜の歓楽街の人数は全体として減少傾向。ただし、すすきのにおける道外からの人数は直前の平日に比べて倍増。

マルチエージェントによる感染のシミュレーション ~GPS で得られた日本全国規模の移動データを用いて~

感染の広がりをシミュレーション

従来の過去の移動データを使いまわしたシミュレーション①では6月以降の感染者数を正しく推定できていない(青)。4月25日までの毎日の実際の移動データを用いたシミュレーション②では感染爆発が発生した(緑)。

【今後】 時間分解能を大きくすることでシミュレーションの速度を速め、感染率を時々刻々と変化するパラメータとして同定(データ同化)。それを用いて、将来の感染の広がりをシミュレーションする。

人から人に感染する様子をネットワークによって可視化

シミュレーション結果に基づき、ある人が何人に感染させたかをネットワークで可視化した。

【今後】 より現実に近いシミュレーション結果を可視化し、実際の感染状況と比較する。

長期データを使ったシミュレーションを実行可能にし、感染のネットワークを可視化した。今後、データ同化を行いながら実際の感染状況と比較してシミュレーション結果を評価する。