2020.12.25

感染抑止環境下での経済活性化の施策を支援するための人流リアルタイムモニタリングに基づく地域経済インパクトシミュレーション

研究開発担当

東京大学空間情報科学研究センター 柴崎亮介/株式会社三菱総合研究所 中條覚

対応するリサーチクエッション

「第二波対策」として必要な「感染予測・対策の効果検証」(SIRモデルの代替となるモデルの確立)、「必要な医療リソース(病床・医療物資等)の需要予測と最適配置」


移動・滞留活動による支出の変化の推定

1. 移動目的別の支出の変化の推定

  • 「旅行トリップ※」及び「旅行以外のトリップ」から、「旅行」及び「旅行以外」の消費額の変化を推定。(支払い場所ベース、対前年比)
  • 旅行による消費額は、大きく落ち込むも、GoToトラベルキャンペーン開始後、徐々に回復。

  • GoToトラベルキャンペーン開始後、10月には旅行による消費額は前年比水準で8割程度まで回復。
  • GoToトラベルキャンペーンによって全国各地での旅行消費促進効果があったと推定。

注)旅行トリップ(観光・出張含む)の定義:「自宅からの移動距離が80km以上」かつ「勤務地への移動ではない」トリップを旅行トリップとして推定。なお、80km未満での立ち寄りの場合には、旅行トリップとは判断していない。

2. 旅行による支出の変化の推定

  • 旅行による消費額の変化から、2020年7月から10月の対前年比の増加分(パーセントポイント)を推定。
  • 旅行による消費額は、GoToトラベルキャンペーンが開始した7月と比較し、10月には全国的に10%ポイント以上増加。特に、北海道や中部・北陸の一部エリアでは30%ポイント以上と大きく増加。

出典)利用データ:LocationMind社が提供するLocationMind xPop(LocationMind xPopのデータは、NTTドコモが提供するアプリケーションサービス「ドコモ地図ナビ」のオートGPS機能利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータを使用。位置情報は最短5分ごとに測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。)

3. 外出に伴う小売・飲食への支出の変化の推定

  • 「旅行以外のトリップ」から、「小売」及び「飲食」の消費額の変化を推定。(支払い場所ベース、対前年比)
  • 「飲食」の消費は、緊急事態宣言発令後大きく落ち込むも、宣言解除後、徐々に回復傾向。GoToイートキャンペーンを開始した10月は、前年の8割程度まで回復。

  • 東京近郊の10月の飲食の推定消費額の変化をみると、郊外エリアでは前年程度の水準まで回復。
  • 一方、都心部のうち、特に、新宿、銀座などの繁華街や丸の内、日本橋などのオフィス街では依然として、前年以下の水準に留まる。その他の繁華街(すすきの(札幌市)、中洲(福岡市)など)も同様の傾向であることを確認。

出典)利用データ:LocationMind社が提供するLocationMind xPop(LocationMind xPopのデータは、NTTドコモが提供するアプリケーションサービス「ドコモ地図ナビ」のオートGPS機能利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータを使用。位置情報は最短5分ごとに測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。)

  • GoToイートキャンペーン開始後、飲食による消費額は前年比水準で8割程度まで回復。
  • 一方、東京都を例にみると、繁華街やオフィス街における消費額は、依然として大きく落ち込んでおり、こうした地域への重点的な支援が必要と考えられる。