2021.01.29

SNSと報道データに基づく人の行動モデルの提案と感染シミュレーション #2

研究開発担当

慶應義塾大学理工学部 栗原聡

対応するリサーチクエッション

「第二波対策」として必要な「感染予測・対策の効果検証」(SIRモデルの代替となるモデルの確立)、「必要な医療リソース(病床・医療物資等)の需要予測と最適配置」


1.マルチエージェントモデル等のシミュレーション 自粛時の感染者数のシミュレーション

  • これまで同様、「人の冪乗則的な行動様式」「感染経路がスモールワールドネットワーク」の仮定をもとに感染者数をシミュレーション。(日本全国や一定地域の都市分布や人口,移動経路などを詳細に再現したシミュレーションではなく,あくまで傾向を示す。)
  • シミュレーション上は、2月上旬に自粛を解除すると、行動が活性化,シミュレーションとしては,3波を大きく超える第4波が起こる。

1月以降、行動の自粛を継続する場合

2月上旬に行動の自粛を解除する場合

※ワクチン摂取を考慮しない場合

※提供:慶応義塾大学

1.マルチエージェントモデル等のシミュレーション 自粛時の感染者数のシミュレーション ※ワクチン導入時

  • ワクチンを導入した設定で,8月五輪開催時あたりまで自粛するケースと,2月上旬で解除するケースでシミュレーション。(ワクチン効果が高く、接種率100%であることを想定。)
  • 感染者数ワクチンを導入した場合でも、自粛解除時期の違いにより感染者数に変化が生じる。

8月まで自粛する場合

2月上旬に自粛を解除する場合

提供:慶応義塾大学

  • ワクチンを導入した設定で,8月五輪開催時あたりまで自粛するケースと,2月上旬で解除するケースでシミュレーション。
  • ワクチンを導入した場合でも、自粛解除時期の違いにより感染者数に変化が生じる。
  • 早期に解除するよりは感染を抑えることができているが.摂取率60%でも感染の山ができてしまう。
    理由:人の行動は冪乗則に従う→ごく一部の人/たまの行動が感染を拡散させてしまうから。
  • 仮に90%の摂取率としても,10%の摂取しない人の高リスク行動だけでも感染を拡散させてしまう。
    • 感染拡散を低減させるには,アクティブな移動の多い都市部中心に,そして若年層に対して摂取する必要がある

8月まで自粛する場合

2月上旬に自粛を解除する場合

提供:慶応義塾大学

1.マルチエージェントモデル等のシミュレーション 緊急事態宣言の発令による影響

  • 緊急事態宣言の発出継続日数が長引くに従い、国内総生産(GDP)減少額(損失額)は大きくなる。発出の継続に従い、他の地域での損失(波及効果)が増大する。
  • 1都3県に発出されていた緊急事態宣言に3府県を追加し、発出から31日が経過した時点で予定通り閉じた場合、損失の増加額は6150億円となる。

一都三県のみの発出日数による損失

日々の損失は増大していく(雪崩的な損失の増大。サプライチェーンが広範囲に破綻することによる)

緊急事態宣言の直接と波及効果の内訳

日々の損失が増大するのは、他の地域での損失(波及効果)が増えることを示したもの

3府県を追加した場合

3府県を追加し、一都三県から31日で予定通り閉じた場合の損失の増加額は6150億円となる

※提供:兵庫県立大学