研究開発担当
株式会社三菱総合研究所
対応するリサーチクエッション
「検査効率化・信頼性向上」に必要な「PCR、抗体検査等の効果的組合せ」
(1)緊急事態宣言下での感染者数予測 ①目的と概要
- 緊急事態宣言を受け要請された「緊急事態措置」による感染者数減少に対する効果及び緊急事態宣言解除条件の検討に資するシミュレーションを実施する。
- シミュレーション期間は4月末までとし、「緊急事態措置」の解除は2週間ごとのタイミングを想定する。
- 緊急事態措置の概要
(1)緊急事態宣言下での感染者数予測 ②緊急事態措置の効果
- イベントの制限により人流が減少し、イベント会場及び移動における感染機会が減少すると考える。イベント会場には競技場、映画館、劇場、コンサートホール、ライブハウス等が考えられる。
- イベント関連人流に関するデータがまだ見つかっていないため、現時点では予測困難
- 以上より、飲食店時短の期待効果とテレワークにより、以下の感染率減少が見込まれる。
「緊急事態措置」のうち、飲食店時間短縮とテレワークによる感染率低減の効果は約10%~40%
(1)緊急事態宣言下での感染者数予測 ②緊急事態措置の効果
- 参考値として、下記に12月中旬からの新規陽性者数をベースにした実効再生産数を示す。4月末まで継続を想定。
- 年末年始の新規陽性者数2000人を超える数になっていたため実効再生産数は1.5を超える数値になったが、2021年1月2週目(1/12-)に入って1.1程度に低下している状況。これをベースケースとして、感染率が低下するシナリオに基づいて今後の陽性者数、入院者数、死亡者数を推計する。
(1)緊急事態宣言下での感染者数予測 ③悲観シナリオ
緊急事態措置の効果の発現が悲観シナリオ(感染率の低下が10%)の場合、一時的に陽性者数は低下するものの、制限を解除すると陽性者数が増加する。陽性者数を低下させるためには4月末まで制限を継続する必要がある。
東京都 悲観シナリオ(感染率の低下10%)
- 検査結果が出るまでの日数は3日の場合
- 擬陽性は平均1%、偽陰性は平均20%
- ワクチンによる感染状況の変化は考慮していない
(1)緊急事態宣言下での感染者数予測 ④中庸シナリオ
緊急事態措置の効果の発現が中庸シナリオ(感染率の低下が20%)の場合、制限を3/28まで継続することにより、新規陽性者数を500以下に維持することができる。一時的に中軽症用で入院待ちが発生するものの、3月半ば以降入院待ちも緩和される。
東京都 中庸シナリオ(感染率の低下20%)
- 検査結果が出るまでの日数は3日の場合
- 擬陽性は平均1%、偽陰性は平均20%
- ワクチンによる感染状況の変化は考慮していない
(1)緊急事態宣言下での感染者数予測 ④中庸シナリオ
緊急事態措置の効果の発現が中庸シナリオ(感染率の低下が30%)の場合、制限を3/28まで継続することにより、新規陽性者数を300以下に維持することができる。一時的に中軽症用で入院待ちが発生するものの、2月半ば以降入院待ちも緩和される。
東京都 中庸シナリオ(感染率の低下30%)
- 検査結果が出るまでの日数は3日の場合
- 擬陽性は平均1%、偽陰性は平均20%
- ワクチンによる感染状況の変化は考慮していない
(1)緊急事態宣言下での感染者数予測 ⑤楽観シナリオ
緊急事態措置の効果の発現が楽観シナリオ(感染率の低下が40%)の場合、制限を2/28まで継続することにより、新規陽性者数を300以下に維持することができる。一時的に中軽症用の入院待ちが発生するが、2週間程度で解消する。
東京都 楽観シナリオ(感染率の低下40%)
- 検査結果が出るまでの日数は3日の場合
- 擬陽性は平均1%、偽陰性は平均20%
- ワクチンによる感染状況の変化は考慮していない
提供:三菱総合研究所 協力:芝浦工業大学・電気通信大学