2020.12.25

気体計測小型LIDARシステムの開発 飛沫飛散シミュレーションのキャリブレーション 光照射によるコロナウイルスの不活性化

研究開発担当

理化学研究所 和田智之

対応するリサーチクエッション

「分野別ガイドラインの進化」のために必要な「室内気流シミュレーション」、「飛沫の見える化」


(1)気体計測小型LIDARシステムの開発

目に照射しても安全な赤外波長の小型LIDARシステムにシュリーレン法(気体の密度差の可視化手法)を適用することにより、通常では不可視の大気の揺らぎを観測できるかを検討する

小型LIDARの特徴

(a) 計測された大気の揺らぎ

大気揺らぎの可視化に成功

提供:理研

→大型光学系の導入と、アイセーフ光源の導入により、人の呼気の発生状態の広範なリアルタイム可視化を実現

(2)飛沫飛散シミュレーションのキャリブレーション

これまで、エアロゾルのような径の小さい粒子から飛沫のような径の大きい粒子までを同一の手法で計測した例がなかった。本研究では粒径を干渉縞で求め、速度をPIV/PTVから取得する方法を検討する。

粒径測定法:干渉画像


干渉縞間隔より粒径を算出できる

干渉画像(結果)

サンプル

  • 直径50umのガラスビーズ(リファレンス)
  • 前実験:顕微鏡による直径の確認。48-69um程度のばらつきを含む試料である結果。

干渉法による粒径の見積り結果

  • 干渉縞を確認。
  • 直径が20~40μm程度の粒径を、複数判定。


提供:理研

→今後、セットアップの見直しや、ミー散乱の応答の飛沫粒径依存性など他の手法との比較により粒径の計測精度向上を図る。

(3)光照射によるコロナウイルスの不活性化

紫外線照射および光触媒によりコロナウイルスが不活性化するかどうかを検討する

UV照射による新型コロナウイルスの不活性効果

  • 条件:湿潤な環境で、新型コロナウイルスにUV-C領域の紫外線を30cmの距離から0, 5, 15, 30秒照射
  • 評価方法:TCID50法、qPCR法


  • 15秒経過でウイルスが1/1000、30秒照射で検出下限以下まで減少

光触媒による新型コロナウイルスの不活性効果

  • 条件:新型コロナウイルスが浮遊するチャンバー内に光触媒を設置し、0、5、15、20分光を照射
  • 評価方法:TCID50法、qPCR法

  • 13分で99%不活性化、20分で検出限界以下まで減少

提供:理研

  • UV照射により効率的に衣類や壁などに付着したウイルスを不活性化できる可能性がある
  • 光でカーテンを作ることにより、ウイルスの飛沫・エアロゾル感染を防止できる可能性がある
  • 光触媒を用いることで人体に悪影響がない方法で空間のウイルスを不活性化できる可能性がある

出所)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000058662.html

出所)https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/1283277.html