研究開発担当
筑波大学 倉橋節也
対応するリサーチクエッション
「第二波対策」として必要な「感染予測・対策の効果検証」(SIRモデルの代替となるモデルの確立)、「必要な医療リソース(病床・医療物資等)の需要予測と最適配置」
飲食の範囲
繁華街での居酒屋、ナイトスポットが感染拡大へ与える影響を個体ベースシミュレーションで評価(クラスター発生事例を参考に、10000人の街のモデルを構築し、感染者拡大リスクを評価)
繁華街での感染者発生と飲食・接客対策の影響比較
評価結果
- 会社間で飲食 (A) 1.00倍
- 会社内で飲食 (B) 0.83倍
- 部署内で飲食 (C) 0.76倍
- 部署内で飲食4名制限(D) 0.74倍
- 部署内で飲食4名制限時短 (E) 0.70倍
会社間(自社+他社)の人たちと飲食をした場合に比べて、自社内の人に限定すると0.83倍、部署内に限定すると0.76倍まで、感染者数は減少する。
時短をした居酒屋で部署内に限定した飲食をすると、0.70倍まで感染者数は減少する。
飲食の範囲を限定することは、ある程度効果がある。
提供:筑波大学
→時短をした飲食店での同伴者を部署内に限定すると、0.7倍まで感染者を抑制する効果がある。
那覇市を対象にした移動流入リスク
移動に伴う感染者流入リスクが感染拡大へ与える影響を個体ベースシミュレーションで評価(那覇市を対象に、4000人のモデルを構築し、流入リスクデータで感染者拡大リスクを評価)
感染者流入リスクと感染予防策の影響比較
沖縄県感染者流入リスク (LocationMind xPop © LocationMind Inc.)
LocationMind xPopのデータは、NTTドコモが提供するアプリケーションサービス「ドコモ地図ナビ」のオートGPS機能利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータを使用。位置情報は最短5分ごとに測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。
評価結果
- 移動に伴う感染者流入リスクが2人/日(12月相当)になると、1人/日(10月相当)に比べて、1.3倍、0.5人/日(7月相当)に比べて2.1倍の入院者増加リスクがある(A)。
- 重度入院者数は、3.1倍のリスクがある(B)。
- 観光客との接触低減+飲食街の時短・自粛の効果は高い(70〜85%減)(C)。
- 濃厚接触者追跡強化(連鎖追跡*)によって、陽性確認者は増加するが、重症者の抑制効果は高い(=飲食街自粛、繁華街従業員への定期的PCR検査と同等)(D)。
* 連載追跡:濃厚接触者の濃厚接触者を追跡、実験では3段まで実施
提供:筑波大学
→移動に伴う流入リスクは2〜3倍。観光客との接触低減・飲食街時短・濃厚接触者追跡強化の抑制効果(70〜85%減)が高い。