Large and small rooms
9人程度が入る小型の店舗を想定
・室内に1名の感染者が滞在するとして在室者の感染確率を求める
・感染者が1曲(7分)歌った場合を想定(在室時間7分)
・リスクはデルタ株で評価
提供:理研・神戸大,協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
感染確率の計算方法(参考)
・通常呼吸を想定して,ある時間に吸引する飛沫の総量(ml)をシミュレーションにより予測
・飛沫に含まれるウイルス数を仮定し,呼吸により体内に侵入するウイルス数(N)を算出
・感染に至るウイルス数(No)を過去のクラスターイベントより仮定して,以下の式(ポアソン過程)で感染確率を推定(文献*より)
P(𝑁)=1−e^((−𝑁/𝑁_0 𝐼))
N0: 感染に至るウイルス量,ここでは300~2000 viral copies
(5つのイベント:中国観光バス×2,韓国エアロビ,韓国コールセンター,米聖歌隊)
感染者の飛沫に含まれるウイルス数(ピーク時),107 copies/mL
(患者により大きく異なる!)
I (強度): 変異株やワクチンの効果
感染リスクについては,パラメータの設定で大きく結果は変わるので,あくまで参考値としてください!
(*) Prentiss MG, Chu A, Berggren KK. Superspreading Events Without Superspreaders: Using High Attack Rate Events to Estimate N o for Airborne Transmission of COVID-19. Posted October 23, 2020. medRxiv. https://doi.org/10.1101/2020.10.21.20216895.
感染確率の計算方法(参考)
P(𝑁)=1−e^((−𝑁/𝑁_0 )) :感染する確率
S(𝑁)=e^((−𝑁/𝑁_0 )) :感染しない確率
𝑆_𝑛𝑒𝑡=∫_0^∞▒〖e^((−𝑁/𝑁_0 )) 𝑑𝑁=𝑁_0 〗 :感染に至るウイルス数
・変異株(variant)の影響の考慮の仕方:変異株の感染力I倍
𝑆_𝑛𝑒𝑡^𝑣𝑎𝑟×𝐼=𝑆_𝑛𝑒𝑡 より 𝑁_0^𝑣𝑎𝑟=𝑁_0/𝐼 (ここは異論あります)
𝑆^𝑣𝑎𝑟 (𝑁)=e^((−𝑁/𝑁_0 𝐼)) よって 𝑃^𝑣𝑎𝑟 (𝑁)=1−e^((−𝑁/𝑁_0 𝐼))
・ワクチンの効果(efficacy)の考慮の仕方:ワクチンの効果F%
𝑆_𝑛𝑒𝑡^𝑣𝑎𝑐×(1−𝐹)=𝑆_𝑛𝑒𝑡 より 𝑁_0^𝑣𝑎𝑐=𝑁_0/(1−𝐹)= 𝑁_0/𝐼 (ここは異論あります)
𝑆^𝑣𝑎𝑐 (𝑁)=e^((−𝑁/𝑁_0 𝐼)) よって 𝑃^𝑣𝑎𝑐 (𝑁)=1−e^((−𝑁/𝑁_0 𝐼))
飛沫飛散の様子(参考)
・英語でone~tenを9秒(途中で一度吸気)これを繰り返す
・1分間で,会話の場合1万個程度,大声の場合2万5千個程度の飛沫が発生
提供:理研・神戸大,協力:豊橋技科大・京工繊大・東工大・九大
15分間しゃべっている感染者と対面した時の感染リスク(参考)
・従来株と変異株の比較(距離の効果)
・従来株に対する変異株の感染力の強さをI(強度)で表現
・(参考)アルファ(英国)株(感染力1.32倍)(1),デルタ(インド)株(感染力2倍程度?)
ポイント:2mがリスク評価の指標になることは変わりないが,2m以内で大きくリスクが変化する
(1)国立感染症研究所, 日本国内で報告された新規変異株症例の疫学的分析(第1報), 2021年4月5日
提供:理研・神戸大,協力:豊橋技科大・京工繊大・東工大・九大
カラオケボックス内の感染リスク
・全員座ってその場で歌を歌っている場合を想定
赤枠:隣への感染確率が比較的高い(2、5、8等を間引くと効果的)
青枠:3→8&9、4→8&9等、部屋の風上・風下関係でリスクが大きく変化、8、9の排気ダクト近傍の席を空席にするというのも一つの対策か?