ワクチン接種者数
60歳以上の効果減衰は4回目でなんとか補完
12-59歳の効果減衰が今後の不安定要素
流入・滞留人口
LocationMind xPop © LocationMind Inc.
「LocationMind xPop」データは、NTTドコモが提供するアプリケーション(※)の利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。※ドコモ地図ナビサービス(地図アプリ・ご当地ガイド)等の一部のアプリ
データ提供: 東京大学 豊田研究室
流入リスク推定モデルに利用 Adjusted R-squared: 0.8791
2022/7/5報告 新規陽性者数推定(7日間平均)
夜間滞留人口がこれ以上増加せず,若干抑制気味(前年同月相当)と仮定した場合,
7月以降も緩やかな感染拡大は継続する可能性が高いが,重症者数は増加しない見通し.
ただし,夜間滞留人口の増加傾向が続いているため,今後,感染拡大の速度が増加する可能性はある.
2022/7/5報告 新規陽性者数推定(7日間平均)
夜間滞留人口が現状のまま推移すると仮定した場合,7月以降も緩やかな感染拡大は継続し,5,000人を超える可能性が高い.
60歳以上の発症予防効果は大幅に減衰しているが,4回目接種が始まっており,高齢者の感染拡大リスクは小さい.
BA.5などの影響も今後のリスク要因となる(この推定では、BA.5の占める割合は一定としている)
一方で,急速なワクチン接種を行うと予防効果の減衰も一律に進行するため,感染リスクの高い時期が繰り返し発生する懸念がある.
年代別の減衰効果を考慮した,連続的なワクチン接種戦略の効果推定が重要.
参考:2022/5/24報告 新規陽性者数推定(7日間平均)
5月以降はしばらく減少が続くが、移動が活発化する7月から徐々に
感染拡大へ変化する可能性がある。12-39歳の3回目接種率が低い
こともあり、その年齢層の感染増加が予想される。
一方で、重症者数は当面少ないまま継続する様子。
ワクチン2回目感染予防効果:33%
ワクチン3回目感染予防効果:70%
ワクチン3回目接種率(5/19):31%[0-39], 64%[40-59], 86%[60-100]
モデル設定
1. SEIR数理モデルとAI最適化手法による感染モデル
人口流動を考慮したSEIRモデルとAI技術(進化的最適化+準ニュートン法)を用いて感染モデル推定の最適化を行うことで、0歳〜39歳、40歳〜59歳、 60歳以上の3つの年代内および年代間での感染推定を行った。県外からの陽性患者流入者数をモバイル空間統計データ(NTTドコモ)およびLocationMind xPop*1から推定してモデルに組み込み、逆シミュレーション法を用いてデータからモデルを学習させた.発症間隔は2.1日とした.
2. ワクチン効果と行動変容効果
・ワクチン効果は,オミクロン株に対して、1回目57%,第2回65%、第3回70%の発症予防効果があるとした。
・効果減衰率は,72%/6ヶ月とした.(UKHSA COVID-19 vaccine surveillance report Week 24)
・実効再生産数・人口流動数の推移は実測値を使用。繁華街滞留人口(13時、21時)と都外からの流入人口から、感染者流入リスクを推定した。
・ワクチン接種率は東京都の実測値から推定した。
3. 東京近郊市街地エージェントベースモデル
東京郊外の世帯構成に基づいて2つの街で構成された1,348人のエージェントで表現したモデルを構築し、ワクチン接種証明による職場、飲食店、イベント会場の制限を行い、各500回の試行から感染増減率Rtの変化率を測定した。飲食同伴者は、友達ネットワーク(友人数は冪則分布のゴルトン・ワトソンネットワーク)から、ランダムに選ばれるとした。
*1 「LocationMind xPop」データは、NTTドコモが提供するアプリケーション(※)の利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。※ドコモ地図ナビサービス(地図アプリ・ご当地ガイド)等の一部のアプリ