COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクトについて

AI等技術を活用したシミュレーション

開発リサーチクエスチョンの全体説明

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は、令和2年1月31日に世界保健機関(WHO)の「緊急事態宣言」が発出されて以来、世界的にも感染拡大が収まらず、国内では2020年10月以降の第3波の感染拡大に伴う一部地域での緊急事態宣言により感染者が減少したものの、完全に収束したとは言えず、新常態生活によるリバウンド、変異種などが原因で再び感染拡大が危惧されている。
本プロジェクトは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対策と経済活動の両立を図るため、企業やアカデミア等におけるAI等を活用した感染拡大の早期探知等に係るデータ収集・分析やシミュレーションの実施、感染防止対策に資する新技術の開発、その結果を社会実装するための検証等を行う調査研究を行い、シミュレーション事業で得られた成果を社会課題の解決および必要とされる政策提言や具体的な施策の立案・実行に資することを目的として行うものである。

2021年度の研究領域(リサーチクエスチョン)の説明

  • 2021年度リサーチクエスチョン1 感染拡大の早期探知

    2021年度リサーチクエスチョン1 感染拡大の早期探知

    AI 等を用いたデータ解析によって感染症の流行・拡大を早期に探知する新技術の実現を目的とし研究開発を行います。

    論点例:

    (1-1)
    SNS/Web 上の情報を基に AI 等を用いたデータ解析を行うことによって、感染症の流行・拡大の兆しをつかむ方策を提示できないか。
    (1-2)
    緊急事態宣言が解除された地域等での感染再拡大を防ぐため、繁華街等において幅広く検査を行って感染状況をモニタリングすることで、状況変化を早期に察知することができないか。
    (1-3)
    いつ、どういった対象に、どのくらいの規模で PCR、呼気、検体検査等による市中感染率の調査を行うことが、感染症の流行・拡大の兆しをつかむための正確な状況把握につながるかについて検証できないか。その際には、コストエフェクティブの観点からもベストミックスを提示できないか。
    (1-4)
    不特定多数の人の健康状態を匿名情報化して逐次把握し、予防策への反映を可能にするアプリ及び情報処理体系を開発できないか。
    (1-5)
    ウイルスや咳を観測するセンサ等のセンシングデバイスを研究開発するとともに、適切なデバイスの配布・設置戦略を構築することによって市中の危険度の把握につなげられないか。
    (1-6)
    ウイルスの塩基配列データと人流データを組み合わせることで海外からの流入や国内での時空間的流行をできるだけ早期に探知し、ピンポイントな対応策の提示ができないか。
    (1-7)
    ワクチン接種の状況、各種モニタリングデータなどからワクチン接種進展後の局地的感染拡大、変異株の蔓延などの早期検知はできないか。
    (1-8)
    上記のテーマによって得られた知見・データを基に、感染拡大を早期探知・予測する方策を提示できないか。
  • 2021年度リサーチクエスチョン2 感染防止シミュレーション

    2021年度リサーチクエスチョン2 感染防止シミュレーション

    ウイルス飛散状況のシミュレーションとその検証を行い、各種ガイドライン等に反映することを目的とし研究開発を行います。

    論点例:

    (2-1)
    クラスターの発生状況・場所に着目し、感染拡大リスクが高いと考えられるシチュエーションにおける感染リスク低減方策を提示できないか。
    (2-2)
    人の往来、訪問者数が多い場所・イベントにおいて、感染防止対策の改善やイベント制限の在り方の検討に資する観点から、当該場所・イベントに人が集まる、イベントを実施することにおけるリスク評価ができないか。
    (2-3)
    イベントや大規模施設などで、入場時の迅速検査を行い、市中感染率の継続モニタリングはできないか。
    (注)
    シミュレーションのテーマは、情勢に応じて有識者と相談しながら随時見直し・追加する。
  • 2021年度リサーチクエスチョン3 感染拡大・抑制シミュレーション

    2021年度リサーチクエスチョン3 感染拡大・抑制シミュレーション

    感染状況の推定、感染が医療や経済に与える影響等を臨機応変に行うことが可能なシミュレーター(ソフトウェア)の構築を目的とし研究開発を行います。

    論点例:

    (3-1)
    COVID-19 及び将来発生する感染症に関して、感染拡大の予測、対策(営業時間制限、移動制限、テレワーク、検査/重点検査、隔離、接触確認アプリ等)による感染抑制効果の試算等を簡易・迅速に行える汎用性の高いシミュレーター(ソフトウェア)を構築できないか。その際、感染者数・重症者数等の予測のみではなく、医療リソースの過不足や経済への影響、ワクチン 接種戦略等もシミュレーションすることができないか。シミュレーターは、プラットフォーム化し、新たな機能の追加やデータ連携、可視化を容易にすることはできないか。さらに、シミュレーターと解析システムは、オープンソース化し、広く国内外での利用と開発を推進できないか。このプラットフォームは、新型コロナや将来のパンデミックの際だけではなく、通常時の各種感染症の流行モニタリングに使えないか。さらに、SARA-CoV-2 の今度発生しうる変異株、将来的に起こりうる未知のコロナウイルスやインフルエンザウイルスの流行に対しても迅速にシミュレーションが可能な機能を実装できないか。
    (3-2)
    東京オリンピック・パラリンピックに向け、訪日外国人の入国時検査等のデータを収集し分析できないか。海外渡航者の受け入れを拡大していくに当たって、検査の偽陰性率、隔離措置の遵守率などから、感染拡大への影響を検証できないか。さらに、選手のみを受け入れる場合、観客も受け入れる場合のそれぞれについての予測ができないか。
    (3-3)
    国際的なビジネストラベルや観光旅行を拡大・再開する際の影響の予測、再開・拡大戦略の立案に資する予測ができないか。
    (3-4)
    ワクチンの予防接種の普及率と感染拡大の抑制効果について検証できないか。また、効果的なワクチンの接種戦略を策定できないか。ワクチン接種の効果に関する定量的データを収集し、中長期的な接種戦略や今後のワクチン開発に反映できないか。
    (注)
    シミュレーションのテーマは、情勢に応じて有識者と相談しながら随時見直し・追加する。
  • 2021年度リサーチクエスチョン4 新技術導入

    2021年度リサーチクエスチョン4 新技術導入

    感染拡大防止に資する新技術の展開による「新たな日常」の構築支援を目的とし研究開発を行います。

    論点例:

    (4-1)
    光触媒、紫外線等の新技術の動向調査(必要に応じ、効果の検証も含む)を行う。
    (4-2)
    AI を用いた医療画像解析による重症化リスクの判定など、機械学習のためのデータの収集、AI アルゴリズムの開発をできないか。

2020年度の研究領域(リサーチクエスチョン)の説明

  • 2020年度リサーチクエスチョン1 「分野別ガイドラインの進化」のために必要な「室内気流シミュレーション」、「飛沫の見える化」

    感染防止のためのガイドライン策定、オフイスや商業施設、公共空間等におけるウイルス飛散状況のシミュレーションとその検証を可能とし、効果的な感染防御対策の実施を可能とする一連の研究開発と実装展開。

  • 2020年度リサーチクエスチョン2 「接触機会低減」のための「ICT、IoTの活用」(ウェアラブル機器を用いて接触回避などを行う)

    日常生活において、ハイリスクな接触機会を低減する方策を効果的な実施とデータに基づく効果検証を可能とする一連の技術の開発と展開、さらには、ウイルスの飛散状況の即時の可視化と不活性化の実現。

  • 2020年度リサーチクエスチョン3 「検査効率化・信頼性向上」に必要な「PCR、抗体検査等の効果的組合せ」

    SARS-CoV-2感染に対する宿主の免疫系の応答の理解、さらには、国内外における感染状況に関するモニタリングを可能とし、感染防御対応策の効果の比較や国際的な人的移動の影響の予測と検証を可能とする信頼できる標準検査手順の確立ならびに、それらデータの共有を可能とすること。

  • 2020年度リサーチクエスチョン4 「第二波対策」として必要な「感染予測・対策の効果検証」(SIRモデルの代替となるモデルの確立)、「必要な医療リソース(病床・医療物資等)の需要予測と最適配置」

    SARS-CoV-新型コロナに関する感染状況の推定と感染拡大・抑制シミュレーションは、どの様な対応策を実施・解除するのか、対応策の効果予測と検証、医療リソースへの負荷予測、経済的インパクトの予測などに関連し、重要な政策立案・決定支援ツールとなる。刻一刻と新たな知見がもたらされ、動的に変化する状況に対応する感染拡大・抑制シミュレーション・システムの開発とその導入と連続的改良、ならびにこのシミュレーションを意味のあるものにするために体系的データ獲得・整備の手法と運用の確立を行う。

  • 2020年度リサーチクエスチョン5 「早期検知と重症化回避」のための「CTスキャン画像分析」、軽症者等のモニタリング、重症化リスク予測、ウイルス変異の影響の理解 等

    COVID-19の早期終息にむけた感染防御、ワクチン開発、治療法の開発に必要な生物学的な知見の加速度的な獲得、スーパースプレッダーや重症化リスクのある患者など重点的に迅速同定する必要のある感染者の発見手法の研究開発を行う。さらには、今後予想される新興感染症に対するシスティマティクな臨床研究基盤を迅速に構築する。さらに、SARS-CoV-2の変異による感染性や病原性の変化、さらにはそれらの変化がワクチンや治療薬の開発に及ぼす影響の理解を促進し、予防・治療方法の開発に貢献する。さらに、今後想定される新興ウイルスに関しても応用可能な手法を確立する。

*掲載された資料は、内閣官房が行った「COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクト」において、コロナ対策の効果等の分析のため、各研究者がそれぞれモデルを構築して行ったシミュレーション結果等を説明するものです。この資料内で説明されるシミュレーション等の結果については、政府の公式の見解を示すものではありません。