感染確率の計算⽅法
・通常呼吸を想定して,ある時間に吸引する⾶沫の総量(ml)をシミュレーションにより予測
・⾶沫に含まれるウイルス数を仮定し,呼吸により体内に侵⼊するウイルス数(N)を算出
感染リスクについては,パラメータの設定で⼤きく結果は変わるので,あくまで参考値としてください︕
感染確率の計算⽅法
・変異株(variant)の影響の考慮の仕⽅:変異株の感染⼒I倍
・ワクチンの効果(efficacy)の考慮の仕⽅︓ワクチンの効果F%
感染しない確率の関数
感染確率の計算⽅法
・ワクチンの効果
・1回接種後︓30%、2回接種後︓95%
・市中ワクチン接種状況
・Case 1: 1回のみ︓11%、2回接種完了︓16%、接種なし︓73%(7⽉13⽇東京都)
・Case 2: 1回のみ︓11%、2回接種完了︓32%、接種なし︓57%(8⽉13⽇東京都予想)
・Case 3: 2回接種完了︓70%、接種なし︓30%
・変異株の感染⼒
・アルファ株︓1.25倍、デルタ株︓2.5倍
⾶沫⾶散の様⼦
・英語でone〜tenを9秒(途中で⼀度吸気)これを繰り返す
・1分間で,会話の場合1万個程度,⼤声の場合2万5千個程度の⾶沫が発⽣
大声
提供:理研・神戸大
協力:豊橋技科大・京工繊大・東工大・九大
⾶沫⾶散の様⼦
・英語でone〜tenを9秒(途中で⼀度吸気)これを繰り返す
・1分間で,会話の場合1万個程度,⼤声の場合2万5千個程度の⾶沫が発⽣
通常会話
提供:理研・神戸大
協力:豊橋技科大・京工繊大・東工大・九大
15分間しゃべっている感染者と対面した時の感染リスク
・吸引する飛沫質量(左)と感染確率(右)
ポイント:2mを境に急激にリスクが変化する
提供:理研・神戸大
協力:豊橋技科大・京工繊大・東工大・九大
15分間しゃべっている感染者と対面した時の感染リスク
・従来株と変異株の比較(距離の効果)
・従来株に対する変異株の感染力の強さをI(強度)で表現
・(参考)アルファ(英国)株(感染力1.32倍)(1),デルタ(インド)株(感染力2倍程度?)
ポイント:2mがリスク評価の指標になることは変わりないが,2m以内で大きくリスクが変化する
(1)国立感染症研究所, 日本国内で報告された新規変異株症例の疫学的分析(第1報), 2021年4月5日
提供:理研・神戸大
協力:豊橋技科大・京工繊大・東工大・九大
2mの距離で対面した際の感染リスク
・従来株と変異株の比較(時間の効果)
ポイント:従来株と同じ感染リスクに到達するのに変異株は半分以下の時間
10%のリスクに達するのに従来株だと45分程度I=1.25だと35分程度,I=2.5だと20分弱
提供:理研・神戸大
協力:豊橋技科大・京工繊大・東工大・九大
15分間しゃべっている感染者と対面した時の感染リスク
・ワクチンの効果:1回目30%、2回目95%を仮定
2mの距離で対面した際の感染リスク
・ワクチンの効果:1回目30%、2回目95%を仮定
・時間の効果
15分間しゃべっている感染者と対面した時の感染リスク
・ワクチンの市中接種率(1回目、2回目の効果を確率の重み付き和として表現)
・1回目11%、2回目16%
・1回目11%、2回目32%
・2回目70%
飲食店における飛沫感染リスク評価と対策
16人程度が入る小型の店舗を想定
• 室内に1名の感染者が滞在するとして在室者1名の感染確率を求める
• 滞在時間は1時間で感染者は30分間大声で話していることを想定
提供:理研・神戸大
協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
飲食店における感染リスク評価と対策
•通常状態
•1名の感染者がいる店に1時間いた場合の感染リスクは一人当たり2.48%
•1, 2, 5, 6, 10, 14が感染するリスクが高い(右下から左上への換気ダクト流れの風下側)
•3, 7, 8, 9, 15が感染させるリスクが高い(室内流れの風上側)
•感染者との位置関係で最大78.8%まで増加する(9番が感染者で10番に座った場合)
•誰が感染者かわからない状況では場所による極端なリスクの差異を作らないことが大切!
提供:理研・神戸大
協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
飲食店における感染リスク評価と対策
•対策1: エアコンと厨房ダクトを作動させる
•一人当たりの感染リスクは,2.48%から2.07%に低下
•より広い範囲に広がるが薄められることで,全体的にはリスクを分散させる効果がある
•強い風下になる場合,局所的にリスクが高まる場合がある(エアコンの影響?3, 5, 7)
•風の影響で8→3,14→7,14→11等,2mを越えて感染リスクが高い関係がある
提供:理研・神戸大
協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
飲食店における感染リスク評価と対策
•対策案:パーティション
テーブルのサイズ:120x60cm
テーブル高さ:77cm
カウンター高さ:89cm
パーティション高さ:60cm
飲食店における感染リスク評価と対策
•対策2: 対策1+パーティションを設置する
•一人当たりの感染リスクの平均は,2.48%から0.53%に大きく低下(部屋全体でリスクを約80%削減)
•4と14を除くすべての感染リスクが低下
•一部,リスクの高い位置関係が残っている(6から5,8から7, 15から14)
提供:理研・神戸大
協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
飲食店における感染リスク評価と対策
•対策3: 対策1+距離を取る
• 一人当たりの感染リスクは,2.48%から0.64%に低下(部屋全体でリスクを約75%削減)
• 感染リスクの偏りはより小さくなっている(最大値21.5%)
提供:理研・神戸大
協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
飲食店における感染リスク評価と対策
•ワクチンの効果
•感染者も含め,全ての人がワクチンを接種したと想定:ワクチンの効果は95%を仮定1)
•1名の感染者(ワクチン接種済み)がいると想定:唾液中のウイルスは1/4に低下と仮定2)
•一人当たりの感染リスクは,2.48%から0.04%まで低下
1) Ref: Polack FP, Thomas SJ, Kitchin N, et al. Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine. N Engl J Med 2020
2) M. Levine-Tiefenbrun et al., Brief communications, nature medicine, vol. 27, pp.790-792 (2021)
提供:理研・神戸大
協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
飲食店における感染リスク評価と対策
•滞在時間の影響(30分,60分,90分)
提供:理研・神戸大
協力:鹿島建設・ダイキン工業・数値フローデザイン・豊橋技科大
飲食店における感染リスク評価と対策
•店内に1人の感染者がいた場合に1時間滞在した場合の、新規感染者の発生期待値(人)
•市中ワクチン接種率を考慮したCase 1~3については、滞在者各々の感染確率に接種率を反映
•感染者はワクチンを接種していないと想定(放出するウイルス数は同じ)
Current:従来株を想定
Current_Alpha:アルファ株を想定(感染力が従来株の1.25倍)
Current_Delta: デルタ株を想定(感染力が従来株の2.5倍)
Case 1: 1回のみ:11%、2回接種完了:16%、接種なし:73%(7月13日東京都)
Case 2: 1回のみ:11%、2回接種完了:32%、接種なし:57%(8月13日東京都予想)
Case 3: 2回接種完了:70%、接種なし:30%